クレジットカードの解約方法と注意点

クレジットカードを発行する際には、利用規約に納得することでいつでも好きな時に申込みが可能です。しかし、解約方法までしっかりと調べてからクレジットカードを作る人は少ないでしょう。

基本的に多くのクレジットカードは、解約方法も利用規約で定められていますが、解約を前提として申込み勧誘を行なっていません。解約時に起こりうる問題点や注意点は、利用者が自ら確認して納得した上で申込みを行なうことが大切です。

クレジットカードは、会員制を採用してカード会社から貸与という形で発行されているので、カードの所有権はカード会社にあります。クレジットカードを解約する時には、カード会社へ所定の方法で申し入れを行い、承認されて解約となるわけです。

クレジットカードの解約手続きは電話するだけ

クレジットカードの解約手続きは電話するだけ

クレジットカードの解約手続きは、会員用のコールセンターへ連絡して必要事項として本人確認が行われるので、解約を希望すれば良いだけです。カード会社ごとに必要な手続きは異なりますが、基本的に電話連絡により解約出来る点は共通です。

クレジットカードと銀行キャッシュカードが一体型となっている場合など、クレジットカード単体では無い提携カードの場合には、カード交換手続きが別途必要となります。クレジットカード単体の解約であれば、数分程度のヒアリングが行われるだけで、解約手続きが可能です。

新規加入時には審査手続きが必要ですが、解約手続きは電話連絡のみというシンプルな形で済むことに驚く人も少なくありません。本人確認については厳格に行われますが、あくまでも悪戯解約を防止するためです。

クレジットカードの解約理由はなんでも良い

カード会社へクレジットカードの解約を申し出た時には、一部のクレジットカード解約について解約理由を聞かれることがあります。カード会社が今後の参考とするために実施しているものですから、必ずしも回答をしなければ解約出来ないわけではありません。

このため、年会費がかかるから・使わなくなったからという当たり障りのない理由を伝えておくと良いでしょう。不満があって解約を行なう場合には、今後二度と同じクレジットカードを申し込まないという強い意思があるならば、不満点を全て述べても良いわけです。

記録として残るので、再度申込みを必要とした時に、あまり良くない印象を残したくない場合には、無回答とするか無難な解約理由を述べることが望ましいです。

カード会社から遺留されることもある

クレジットカードの加入促進キャンペーンには多額の広告費が投じられているので、クレジットカード解約の申し入れを行なった際に、カード会社から遺留されることがあります。

最も多い理由として、カード会社が独自に付与しているポイントが多く溜まっている場合には、解約に伴い消滅してしまうポイントを使ってからにしてはどうかという提案です。カード会社の印象を良くするために行われるので、ポイント次第ではアドバイス通りにポイントを使ってからにすると良いでしょう。

一方、案内事項としてリボルビング払いをしている場合には、残債が一括請求となる点の説明がされるので、最終的な解約意思を確認する際にカード会社が把握している内容から判断材料を案内してくれます。

解約時の注意点を確認しておく

解約時の注意点を確認しておく

実際にカード会社へクレジットカード解約連絡を行なった時点で案内されますが、解約申込みをまだ行わない方が良いケースがあります。

クレジットカードの解約は、利用者である本人の意思でいつでも自由に行えることが前提ですが、事前に解約しても問題ない状態にあるか下調べを行なった上で行なうと良いでしょう。

カード会社が把握している契約内容と利用者が認識している契約内容に相違が発生していたり、他のクレジットカードへ乗り換える時に既存のクレジットカード解約が響くこともあります。

具体的な解約前に確認が必要な事項を知っておけば、カード会社からの確認漏れがあっても慌てることが無くなるでしょう。無計画に気分で解約手続きを行なってしまうことだけは、思わぬリスクが降りかかる可能性があるので避けるべきです。

解約前に残債有無を確認しよう

クレジットカードを解約する前に必ず確認しておきたいこととして、ショッピング枠とキャッシング枠双方に残債が残っていないことを確かめておかなければなりません。

分割払いやリボルビング払いが設定されていると、毎月の支払額は少なくなっているものの、残債総額が数十万円となっていることが少なくありません。クレジットカードを解約すると、最終請求時に残債が全て一括請求されてしまうので、可能ならば最終請求が済んでからクレジットカード解約をすることが望ましいです。

なぜなら、クレジットカードを解約するとカード会社との契約が無くなるので、そもそも分割払いやリボルビング払いの契約自体が同時に消滅するからです。残債は全て合算請求されて最終請求に上乗せされるので、最終請求額を支払えないと滞納してしまうことになりかねません。

メインカードの解約は新メインカードの発行後にする

メインで使用しているクレジットカードは、毎月の利用額が大きくなるので、出来るだけ特典が有利なクレジットカードへ乗り換えた方が良いと考えられます。

しかし、次にメインとなるクレジットカードを申込む際に、長年使用してきたメインのクレジットカードの信用履歴は、カード解約と共に消えてしまうので得策ではありません。クレジットカード審査では、クレジットヒストリーと呼ばれる今までの利用実績がしっかりしているほど信用度が増すので、利用限度額設定にも有利に働くわけです。

新しいメインカードの発行が済んでから現在利用しているクレジットカードを解約すれば、信用実績はそのまま新しいクレジットカードへ乗り換えが出来ます。

休眠状態にあるクレジットカードならば解約する

休眠状態にあるクレジットカードならば解約する

既に使用していないクレジットカードがある場合には、年会費の有無を確認した上で解約すると良いでしょう。財布に入れておくクレジットカードの枚数があまりにも多くなると、支払い管理が難しくなるだけでなく、つい使いすぎてしまう可能性があります。

メインで使っているクレジットカードならば、財布から消えた時にすぐに気付きますが、利用頻度が低いクレジットカードを無くしたり盗まれても気が付かずに勝手に買い物をされてしまうリスクがあるわけです。

特典に釣られて作成したクレジットカードは、既に特典を受け取った後には忘れ去られる危険性があります。

使っていないクレジットカードは管理が甘くなる

年会費永年無料のクレジットカードは、特典内容が年会費有料のタイプよりも低いために、メインカードとして利用される可能性は低くなります。日頃財布にすら入れていないクレジットカードは、盗難被害に遭って勝手に使われてから盗まれたことに気が付くことも少なくありません。

使っていないクレジットカードほど、セキュリティー管理が甘くなる傾向にあるので、不要なクレジットカードはなるべく解約した方が安全性を保てます。しかし、クレジットカードを加入特典狙いで作成した際には、少なくとも半年は置いてから解約の申し入れをすることが大切です。

なぜなら、特典狙いでクレジットカードを作成して最初からショッピング利用する気がなかったとカード会社から考えられてしまうと、次に同じカード会社のクレジットカード申込みをしても審査に通りにくくなってしまうからです。

設定枠により他のクレジットカード審査が通りにくい

休眠状態にあるクレジットカードを持っている場合には、契約内容を確認した上で解約を行なうと良いでしょう。なぜなら、新たにクレジットカード申込みを行なう際に、使っていないクレジットカードの利用限度額が邪魔をして、新規申込みしたクレジットカード審査に通りにくくなるからです。

クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠がありますが、リボルビング払い専用カードなど利用限度額が割賦販売法と貸金業法に定められた総量規制に抵触する可能性があります。

新たに申込むクレジットカードに分割払いやリボルビング払い設定を行いたい場合には、総量規制に抵触しない範囲内でしか利用限度額設定が出来ないためです。

一括払い専用カードでキャッシング枠設定が無ければ気にする必要はありませんが、多くのクレジットカードでは分割払い設定とリボルビング払い設定があるので、今後も使う予定が無いクレジットカードは解約手続きをとっておくことが望ましいです。