電子マネーとは、現金の代わりとして決済出来るシステムです。日本国内では消費税が導入されて以降、税率の影響により1円単位の端数を含む会計が増えたことから、財布から小銭を出し入れすることなく決済出来る電子マネーは、利便性を意識出来るようになり普及が進んでいます。
電子マネーは、ブランドにより決済対応している店舗が異なるだけでなく、予めチャージして使うプリペイド式電子マネーと後払いのポストペイ式電子マネーに分かれます。プリペイド式ならば、事前に与信審査が必要無いため、現金をチャージすれば審査なしに誰でも利用可能となるわけです。
一方、ポストペイ式電子マネーはクレジットカードでは無いものの、少額の信用取引と言えます。電子マネーの種類が多いので、他の電子マネーへ乗り換えようとした時に、残った残高が問題となるでしょう。使い切れなければ何とか現金化したいと考えることは、自然な流れです。
目次
プリペイド式電子マネーを現金化する
簡単な登録のみを行えば、審査を必要とせずにすぐに利用可能となるプリペイド式電子マネーは、事前にチャージという形で入金して利用します。
チャージと支払いを同時に行えない電子マネーも多いので、実際に決済で使用する金額よりも多めに入金しておくことが一般的です。しかし、余った電子マネーについては、端数まで計算して使い切るか現金化するしかありません。
電子マネーの種類が増えているので、試しに使ってみたとしても更に利便性が高い電子マネーが見つかれば、乗り換えようとしても不思議では無いでしょう。使い切れていない電子マネーがあれば、何とかして使い切る努力をしても難しければ、現金化を考えるしかありません。
プリペイド式電子マネーの現金化は、勿体無いという精神から行われる性質のものです。
一度チャージしたら元に戻せない
プリペイド式電子マネーは、入金した分しか使えないので、支払い能力を超えて使いすぎる心配はありません。
しかし、一度チャージ入金したお金は、電子マネーとして使い切る以外に方法が無いタイプが多く、誤って多額のお金をチャージしてしまった場合であっても、元に戻せない電子マネーが多いです。
システム上で一度入金してしまった電子マネーについては、返金出来ない仕組みとなっているので、何とか強引に取り戻そうとする場合には、一度購入した商品を返品するといった方法しかありません。
電子マネー決済の取り消しは出来ないものの、店舗でチャージした場合ならば、チャージミスを発生させた店舗に電子マネー決済を行なってから返品すれば、現金で返金されます。しかし、余りにも強引なやり方のために、利用者から強要するとトラブルの基となるので法的にもグレーゾーンと考えておく必要があります。
交通系電子マネーだけは払い戻しに対応している
例外的に電子マネーでありながら当日中の払い戻しに対応している電子マネーがあります。交通系電子マネーは、他の取引をしていない限り当日中にチャージの取り消しを行なうことが出来ません。
SuicaやPasmoといった交通系電子マネーについては、払い戻しに対応していることを覚えておくと良いでしょう。使わなくなった交通系電子マネーは、払い戻し手数料が掛かるものの、デポジット分の500円も含めて電子マネー残高と合わせて払い戻しが出来ます。
交通系電子マネーについては、払い戻し手数料さえ気にしない限り、現金化は比較的容易だと考えられるわけです。交通系電子マネー以外であれば、ICチップの破損といった特殊な事情がない限りは応じていないので、別の現金化手法を行なう必要があります。
購入した商品を売却して現金化する
プリペイド式電子マネーで返金方法が無い場合には、チャージしたお金を現金化するために出来る方法として、購入した商品を売却して現金化する方法があります。
クレジットカードのショッピング枠を現金化する場合とは異なり、先にお金をチャージしている電子マネーですから、購入商品の所有権は本人にあるわけです。購入した商品を転売したり買い取り業者に売却したりしても、本人に所有権があるものですから、問題なく売却可能となります。
しかし、電子マネーを使って購入出来る商品には金券は含まれないことが多いので、換金率は7割程度と低くなりがちです。現金化を行なうことが主目的という事情が無ければ、欲しい商品を購入した方がお得に感じることも多いでしょう。
プリペイド式電子マネーを現金化する場合には、欲しい物が何もないといった事情がある時に限られます。
ポストペイ式電子マネーの現金化はクレジットカードの現金化に近い
使った分だけ後払いをするタイプの電子マネーとして、ポストペイ式電子マネーがあります。Quick Payのようにクレジットカードの付帯機能として利用できる電子マネーならば、使った分についてクレジットカードと一緒に請求してもらえるので、先にチャージして取り戻せないといった問題は発生しません。
また、DCMXのようにクレジットカードを必要としない後払い式の電子マネーもあるので、ポストペイ式電子マネーを利用する際には、詳細な仕組みを知った上で利用しなければ失敗しかねません。
ポストペイ式電子マネーに共通していることとして、支払いは一括払いという点があります。先に購入しても支払いを後回しに出来るので、電子マネーでありながらクレジットカードに近い使い勝手です。
ポストペイ式は審査があり利用可能額が少ない
ポストペイ型の電子マネーでは、与信審査が行われるので、利用限度額は月に数万円と少ないことが一般的です。1万円しか利用限度額が無いからといって、必ずしも与信力が少ないわけではなく、電子マネーの種類によっては、DCMXminiのように最初から用途を限定したタイプも存在しています。
10万円を超える電子マネー利用限度額は、例外的と考えておけば良いでしょう。ポストペイ型の電子マネーを現金化することは、実質的には支払いを後回しにする意味合いがあるので、自然とクレジットカードのショッピング枠現金化に近い状態となります。
クレジットカードの現金化との違いは、ポストペイ型電子マネーでは、必ず支払いが一括払いとなる点です。分割払いやリボ払いは利用出来ないので、使いすぎには注意を払わなければなりません。
電子マネー専門の買い取り業者を利用する
ポストペイ式電子マネーは、手元に現金が無くても、電子マネーの利用限度額範囲内についてならば電子マネー専門の買い取り業者を使うことで、現金化が可能です。
電子マネーの種類により、換金率が大きく異なるので、現金化に強い電子マネーと現金化業者ごとに得意とする電子マネーが異なります。少なくとも自分で現金化が出来てしまう電子マネー以外についてのみ、電子マネー専門の買い取り業者を利用する必要があります。
クレジットカードのショッピング枠を現金化するケースとは異なり、電子マネーの換金率は低く、7割以上ならば優秀と言われています。クレジットカードの現金化が85%以上という状況から比較すると、厳しいことが分かるでしょう。
購入商品を売却する際には違法性に注意が必要
電子マネーを使って購入した商品を転売または買い取り業者に売却する際には、ポストペイ式電子マネーを使って購入した際には注意が必要です。
電子マネーに一度変換してから購入しているものの、ポストペイ式電子マネーの支払いが完了するまでは、ポストペイ式電子マネーを扱っている会社側に購入商品の所有権があります。
電子マネー運営会社に対して許諾を得る前に電子マネーを使って購入した商品を転売すると、詐欺罪の適用を受けてしまうリスクがあるので注意が必要です。ポストペイ式電子マネーを現金化する際には、クレジットカードのショッピング枠を現金化する時と同様に、キャッシュバック方式を採用している現金化業者を利用する必要があります。