クレジットカードには利用限度額が設定されていて、買い物などをして限度額を超えてしまうと利用を停止されてしまいます。もし頻繁に利用停止になるようなら、利用限度額の引き上げをおこなうことでカードの使い勝手がよくなります。
カードの限度額は、一定期間問題なく使っているとカード会社が引き上げてくれる場合もありますが、自分から増枠を申請することもできます。ただし、増枠を申請すると審査がおこなわれ、場合によって限度額が減らされたり、利用停止になったりすることがあるので、増枠の申請は慎重におこないましょう。
申請のタイミング大事だなこれ。
そうそう。増枠するつもりが減枠されちゃったなんて悲しすぎるよね。毎回、延滞もなくしっかり支払いができているなら全く問題ないけどね。
目次
クレジットカードの限度額は利用状況に合わせて引き上げが可能
クレジットカードには、ユーザーが際限なく利用してしまわないように、限度額が設定されています。基本的にカードを限度額以上利用することはできませんし、限度額をオーバーするとカードの利用を止められてしまいます。
ただし、クレジットカードの限度額は一律ではなく、ユーザーの年収や過去のカード利用実績など支払い能力によって上下します。とくに、プラチナとかプレミアムとかいった入会条件の厳しいカードは、限度額が高めに設定されている一方、学生や主婦、アルバイトをしている方など、収入が不安定な方でも持てる審査のゆるいカードは、限度額は低くなります。
また、クレジットカードの限度額は、ずっと一定というわけではなく、カードの利用状況などによって、増えたり減ったりします。とくに利用状況がよく、優良なユーザーだとカード会社から判断されると、限度額を引き上げる「増枠」がおこなわれます。
限度額の引き上げはカードの使い勝手がよくなる点がメリット
最近では、日常でもクレジットカードを利用できるシチュエーションが増えており、限度額が低いとすぐに限度額に達してしまい不便です。増枠によってカードの限度額が上がれば、より多くの買い物ができるようになり、利用停止になりにくくなります。
買い物などをするとすぐに限度額ギリギリになってしまう方は、カードの限度額が利用方法に合っていないということです。こういう場合、カードの限度額を引き上げることで、利用停止に悩む必要がなくなり、カードの使い勝手をよくすることができます。
利用実績を積んで優良な顧客になれば自動で増枠される
限度額を増枠するには、いくつか方法がありますが、1番確実なのは利用実績を積んで、カード会社が増枠してくれるまで待つ方法です。
カード会社は、クレジットカードを頻繁に利用し、支払いに問題のない方を優良な顧客として処遇し、もとたくさんカードを利用できるように、限度額を増枠する場合があります。
優良な顧客になって増枠してもらうためには、毎月カードで多くの金額を利用し、支払い期日をきちんと守らなければなりません。このような状態を維持できれば、1年から2年で限度額が引き上げられていきます。
ちなみにカード会社が増枠する場合は、ハガキなどで知らせてくれる会社もありますが、そのようなお知らせをしない会社もあります。いつの間にか、限度額が引き上げられているといったことも多いので、定期的に明細書などを確認するとよいでしょう。
本人も知らぬ間にってことがあるのか。
何の問題もなくカードを利用していたらそういうこともあるみたいだよ。優良会員の証だね。
増枠されるまで待てないときはこちらから申請も可能
カード会社が増枠してくれるまで待つ方法は、どうしても時間がかかります。そのため、すぐに限度額を引き上げたいときには、直接カード会社に限度額の引き上げを申請することで、任意のタイミングで増枠できます。
申請方法には、カード会社に電話で連絡する方法と、インターネットを通じてカード会社のウェブサイトから申請する方法の2通りの方法があります。インターネットで申請する場合は、自分のカードを管理するページなどにある「ご利用枠の変更」といった項目から申し込むことができます。
かつては、電話で申請することが一般的でしたが、最近では、インターネットでの申請がメインになっており、電話では申請ができない会社もあります。もちろんインターネットで手続きできない会社もあるので、その場合は電話で申請する必要があります。ショッピング枠現金化を考えている方は自ら申請するのも有りですね。
増枠申請は審査で拒否されることもある
自分から増枠を申請する方法は、すぐに増枠できて便利ですが、確実に申請が通るとは限りません。カード利用状況によっては、増枠を断られる可能性もあります。
クレジットカードの限度額は、年収や生活維持費、借入金の残高などを調査し、算出した「支払可能見込額」に0.9（経済産業大臣が告示した率）をかけた額を超えないように割賦販売法という法律で定められています。そのため、この割賦販売法に定められた額以上の増枠は、法律に違反するので申請しても拒否されます。
新規発行されたカードの限度額が30万円以下の場合、支払い能力に疑問があるものの、とりあえず様子見で発行された「温情発行」の場合があります。温情発行で手に入れたカードは、増枠を申請しても拒否される可能性が高いので、限度額が30万円以下ならカード会社が増枠してくれるのを待ちましょう。
毎月のカード利用額が少なく限度額に余裕がある方は、増枠の審査が不利になります。これは、利用額が少ないのに増枠しても意味がないと判断されるためです。ただし、増枠を必要とする明確な理由を説明できるなら、審査に通る可能性があります。
リボ払いは、カード会社にとっても利益の大きい支払い方法ですが、利用しすぎると返済が滞ってしまうことがあります。そのため限度額までリボ払いを利用しているユーザーは、貸し倒れを警戒されて審査が通らないことが少なくありません。
増枠の審査は、信用情報期間に情報を照会して延滞情報や事故情報を調べる途上与信という方法でおこなわれます。信用情報機関には、今までの借り入れやカード利用履歴の情報がすべて共有されているので、他社のクレジットカードの利用状況や、金融機関の借り入れも審査の対象になります。
そのため、増枠したいカードの利用実績に問題がなくても、ほかのカードで支払いを延滞していると、増枠審査が通らなくなります。またローンなどの借入額が多い方も、借金を返済するために増枠するのではないかと判断されて、審査で不利になります。
一時的な増枠なら審査が通りやすい
なかなか限度額を増枠してもらえない方でも、海外旅行するときなど、いつも以上の出費が想定される場合は、期間限定で一時的に限度額を増枠してもらうことができます。一時的な増枠にも審査がありますが、恒久的な増枠よりも審査がゆるく、利用状況に問題がない限り、比較的簡単に申請が通ります。
一時的な増枠も、普通の申請と同じように電話やインターネットを通じて申請でき、金額や使用目的、開始する日時や期間といった情報を伝えて、審査を待ちます。一時的な増枠の審査は、すぐに済むことが多く当日中に結果がでることも少なくありません。ただし、必要な期日までに確実に増枠してもらうのであれば、ある程度余裕を持って申請したほうがよいでしょう。
安易な増枠申請は利用停止などのリスクがある
増枠の申請時におこなわれる審査は、基本的に増額をするかどうかを調べるためのものですが、審査のなかで問題が見つかった場合、限度額が減らされたり、カードが利用停止になったりするリスクがあります。
とくに金融機関などから借り入れているローンの残高が多いと、現在の限度額が支払可能見込額を超えてしまう場合があります。そのような状況で増枠を申請すると、限度額が増えるどころか現状の支払可能見込額に応じた限度額に減らされてしまいます。
また、増枠の審査に落ちても、信用情報は傷つかないといわれていますが、何度も増枠申請していると、お金に困っているのではと疑われて、カードの利用を停止される可能性があります。借り入れが増えているときや、審査に落ちてからしばらくの間は、安易に増額申請をしないほうがよいでしょう。
関連記事：クレジットカードが利用停止になった！対処方法と解除までの時間は？
カードを使いすぎて返済できなくなる可能性もあるので増枠は慎重に
増枠申請が通って、限度額が引き上げられると、カードの使い勝手がよくなりますが、その分使いすぎてしまうというデメリットがあります。
カードによる買い物は、実際にお金を使っているという感覚が希薄で、限度額が高いカードを使っているとストッパーがかからず、気づいたときには大金を使っていたというような失敗をしてしまうこともありえます。
もし自分が支払える以上の金額を使ってしまったら、返済が滞り、最悪自己破産してしまうことにもなりかねません。増枠を申請するときには、自分の支払い能力を過信せず、慎重に考えて申請したほうが安心です。
私も増額しようかなー。
支払日にお金を払えているなら良いんじゃない？何かする予定でもあるの？
冷蔵庫を買いたいんだけど、今のままじゃ限度額を超えるから買えないんだ。
支払いの目途が立っているんならすぐにでも電話して買っちゃいなよ。ちなみに、2回払いまでだと手数料がかからないところが多いよ。
そうなのか。よしっ。電話してみる。
