クレジットカードをもつためには、利用代金をちゃんと返済できるくらいの安定した収入が求められます。そのため収入のない無職の方は、クレジットカードを作ろうとしても審査で落とされてしまいます。
しかし、失業したからといって、必ずしもすでにもっているクレジットカードが使えなくなるわけではありません。利用料金の支払いに延滞がなく、利用状況が優良なら、無職であることを申告しても、これまでどおり使い続けられる可能性があります。
前から気になってたんだけど、フリーターってクレジットカード作れないの?
審査が厳しいクレジットカードは作れないね。でも、昔よりもクレジットカードの数ってかなり増えているから、フリーターでも審査が通るカードはいっぱいあるよ。
目次
無職と申告すると100%カードが使えなくなるという訳ではない
クレジットカード会員は、退職や転職したときなど会員情報に変更があれば、そのことをカード会社に申告する義務があります。
会社を退職したときや商売を廃業して失業したときは、カード会社に無職になったことを申告しなければいけませんが、申告するとカードが利用できなくなるのではないかと心配になる方もいます。
しかし、無職になったことを申告したからといって、すぐにカードを取り上げられることはほとんどありません。もちろん100%というわけではなく、たとえば、ゴールドカードといった限度額が高額で審査の厳しいカードは、一時的に使用を停止される可能性があります。
ただ、カードの利用実績に問題がなければ、失業したことを申告しても、そのまま利用し続けられるケースが多く、カード会社によっては、そのままカードを更新できることもあります。
すでにカードを所有している方は職業よりも利用実績が重視される
失業しても、そのままクレジットカードを使える理由は、カード会社が利用実績を重視しているからです。
最初にクレジットカードの作成を申請するときは、申し込んだ方がきちんと支払いをしてくれる優良な顧客かどうかがわからないので、支払い能力があるかどうかを見極めるために、カード会社は年収や職業などを厳しく審査します。
しかし、クレジットカードを作ったあとは、利用料金の支払いに延滞がないかどうかや、定期的にカードを利用しているかといった利用実績が重視されます。
無職になってもちゃんとカードを利用して、支払いの延滞がない方なら、優良な顧客としてそのまま利用を継続できる可能性が高く、カードを取り上げられるようなことはほぼありません。
短期間なら申告しなくてもカード会社にバレないケースも
短期間なら、無職になったことを申告しなくても、カード会社に知られずにクレジットカードを利用し続けられる可能性があります。
クレジットカード会社は、顧客の個人情報やカードの利用状況といった信用情報を信用情報機関に登録して共有しています。新たなクレジットカードの作成やカードを更新する際には、申請する方の情報を信用情報機関に照会して審査します。
この信用情報には、カードの利用履歴のほか、クレジットカードを作成するときに提供した勤務先の名称や電話番号などが登録されていて、その方の勤務状況がわかるようになっています。
しかし、この情報は、新たな申請をするときや、自己申告で失業したことを報告したとき以外は更新されません。
このため失業しても、カード会社にその旨を申告しないと、信用情報が更新されず、カード会社に無職になったことを知られません。すぐに別の働き口が見つかりそうなら、職につくまで申告せず、職についてからあらためて転職したことを申告する方も多いようです。
信用情報機関って何?
顧客一人ひとりの借り入れや返済の状況などの信用情報を共同で収集・管理している組織のことだよ。全てのカード会社はこの機関に審査を通すんだ。
利用状況が優良なら在籍確認などがなくてもカードの更新は可能
クレジットカードの有効期限がくる前に退職などをした場合でも、支払いの延滞などがなく、信用情報に問題がない方なら、無職だと知られることなくカードの更新ができます。
なぜなら、クレジットカードを更新する際は、信用情報機関に延滞などの事故情報がないか照会する途上与信という方法で審査が行われます。
ここで問題がないと判断されれば、多くのカード会社は勤務先への在籍確認といったマニュアル調査を省略するので、勤務実態を調査されることなくカードは更新されるからです。
カード会社に無職であることを申告しないとリスクやデメリットがある
カード会社に無職だと知られなければ、クレジットカードを使い続けることができますが、意図的に申告しない場合、リスクやデメリットがあります。
■意図的な無申告は規約違反になる
ほとんどのカード会社は、会員情報に変更があった際、変更があった事項についてカード会社に申告する義務を規約に定めています。そのため失業したことを申告せずにいて、何らかの理由でバレると規約違反として問題になる可能性があります。
規約違反の直接的なリスクとしては、カードの利用停止や強制解約させられる可能性のほか、収入がなくなって返済が滞り、自己破産などの債務整理が必要になったときにも問題が起こることがあります。
自己破産は、借金返済の見込みがないことを裁判所に認めてもらい、法律的に返済義務をなくしてもらう(免責してもらう)方法です。
しかし、嘘の情報で借金した場合などは、免責されないことがあり、無職であることを黙っていたという規約違反が知られると、カード会社から異議を申し立てられ、自己破産してもクレジットカードの支払い分が免責されなくなることがあります。
■新たな借金やクレジットカード作成の申請ができない
新たな借金やクレジットカードの作成を金融機関やカード会社に申請するときには、勤務先などを聞かれるので、無職であることを申告しなければいけません。
しかし、申告をすると、信用情報機関にある個人情報も更新されるので、カード会社に無職であることがバレてしまいます。
信用情報機関にある情報の更新を防ぐためには、新たな借金やクレジットカードの申請をしないようにする必要があります。
もし嘘の勤務先などを書いて申請したとすると、在籍確認ですぐにバレてしまいますし、詐欺罪に問われるなどの大きなリスクがあるので、現実的ではありません。
無職の状態が長く続くときにクレジットカードをもつのは危険
無職の状態で、クレジットカードを利用すること自体にもリスクがあります。土地や巨額の貯金などがない限り、収入がない無職の状態だとカード利用代金の返済に貯金などを切り崩さなければいけませんよね。クレジットカードを利用していると、自分の貯金以上の金額を使ってしまい、支払いが滞る危険があります。
かつては、ネットショッピングをするときなどにクレジットカードがないと不便でした。しかし、最近では、VisaやJCBといった国際ブランドのついたデビットカードが登場し、ネットショッピングにクレジットカードを使わなくても済むようになりました。
デビットカードを使うと、利用金額が銀行口座からすぐに引き落とされるので、支払いを延滞する心配がありません。失業し、すぐに次の職が見つからないなら、素直にクレジットカード会社に申告して、デビットカードに切り替えたほうが安心です。
無職でクレジットカードを利用するときは慎重に
クレジットカードをすでにもっている方が失業しても、カードの利用を止められることは、滅多にありません。
カード会社に申告しなければ、職についていないことを知られずに済むケースもありますし、正直に申告しても、一部の審査が厳しいカード以外は、ほとんどの場合利用し続けられます。
ただし、失業したことを申告しない場合、カード会社の規約違反になります。カードの利用停止や強制解約、自己破産の免責が受けられなくなるといったリスクのほか、新たな借金やカードの作成ができないというデメリットがあります。
また、無職の状態でクレジットカードを利用していると、支払いの延滞などを起こしてしまう可能性もあるので、たとえ使えるとしても、慎重に使うようにしましょう。
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普通の使い方をしていれば無職になっても大概大丈夫ってことだな。
そうだね。特に信用情報に傷がついていなければそんなに気負う必要はないよ。あと、タイミングは遅くなっても申告はちゃんとしようね。