クレジットカードの審査をするなら知っておきたい金融事故の仕組み

現金の代わりとなるクレジットカードはとても便利なカートで、利用したいと思う人もたくさんいることでしょう。ですが残念なことに、どんな人でも利用することができるカード、というわけではありません。

やはり、手元に現金がないのに買い物ができるという仕組みを考えても、それなりに信用のある人でなければカードを発行することはできず、それを見極めるための「審査」をパスする必要があります。

審査の内容は、明確に提示されているわけではなく、どんなクレジット会社においても、全く同じ内容によって審査される、というわけでもありません。カード会社によって、審査の内容や基準には多少の差異がありますが、大まかな内容はどのカード会社でもだいたい同じです。

そんな審査内容の1つに、「金融事故」についての審査があります。では金融事故とはいったい、どういった内容の審査なのでしょうか。その他のクレジットカードの審査内容も振り返りながら、詳しく分析してみましょう。

クレジットカードの審査内容

クレジットカードの審査内容

希望すれば誰にでも発行されるわけではないのが、クレジットカードです。資金が手元にない状態で買い物をすることができるわけですから、それなりに信頼できる人間であることが証明されなくては、クレジットカードは発行されません。

信頼できる人間であるかどうかを判断するのが、どんなクレジットカード会社でも実施している「審査」です。これをクリアしなくては、どんなに本人が望んでもカードが発行されることはありません。

クレジットカードを発行して欲しいと考えた時は、この審査基準をクリアできそうかどうか、まずは自分なりに検討してみてから申し込むといいでしょう。ではクレジットカード会社は、私たちのどんなことを審査基準としているのでしょうか。

重要視されるもの

クレジットカードを発行する際に、カード会社が1番気にすることは、申込者の「返済能力」です。返済能力とは即ち、カードを利用した後に、その利用料金を支払う能力のことです。

借りたお金を返すための収入や資産がなければ、どんなにお金を貸しても返済されることがないため、カード会社はまず、申込者に資産やお金が入ってくるシステムがあるかどうかということを気にします。

高収入をのぞめる職業であればあるほど、また収入が安定した職業であればあるほど、審査は通りやすくなります。安定した収入とみなされるかどうかを判断する際に、これまでの勤続年数や正社員、パートといった雇用形態も同時に審査されることとなります。

雇用形態は安定した正社員であるほど、また勤続年数は長ければ長いほど、審査には有利です。

審査をパスするには

クレジットカードの審査をパスするには、審査内容を想定し、その基準をできるだけクリアできるような状況にしてから、申し込む必要があります。1つの職業からの安定した収入が少ない場合は、複数の収入を合算して年収とすることも可能です。

その際、合算してもよい収入とそうでない収入もあるため注意が必要ですが、虚偽の申告をすることだけは絶対に避けなくてはいけません。虚偽の申告が発覚してしまえば、当然クレジットカードを発行してもらうことはできなくなります。

また、審査が比較的優しいクレジット会社などの情報を収集したり、申し込むクレジットカード会社を選別することでも審査に通りやすくなります。できるだけ1つの企業や会社に長く勤務し、複数のクレジットカードを持たないなどの努力も、審査をパスするためのポイントとなります。

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金融事故情報とは?

金融事故情報とは?

クレジットカードの申し込みがあった際に、カード会社が必ず審査することの1つに、「金融事故情報」の照会があります。

これは、過去に申込者が金融事故と呼ばれる事故を起こした記録があるかどうかを確認する作業であり、どんなカード会社においても必ず審査されることの1つです。安定した収入があるかどうかということ以前に、この記録に金融事故の情報が確認されると、クレジットカードを発行してもらうことは難しくなります。

安定した収入がなかったり、住居が不安定だったり、クレジットカード会社が嫌がるようなことは多数ありますが、中でも「信用」という部分に関わる金融事故情報は、クレジットカード会社が最も神経を尖らせる審査内容であり、ここに記録がある状態を最も嫌がります。

では、クレジットカード会社が嫌がる「金融事故」とはいったいどういった内容のものなのでしょうか。

金融事故とは?

過去にクレジットカードやローンを利用し、返済が滞るなど、スムーズな返済ができなかった経験があることを、金融事故と言います。

1度金融事故を起こしてしまうと、その情報が「信用情報」を取り扱う「信用情報機関」に金融事故として記録されることとなるのです。

信用情報機関は国内にいくつか存在しますが、銀行や消費者金融などの金融業者や会社は、必ずこれらの信用情報機関に加盟登録し、申込者のカードやローンの利用状況に関する情報を共有し、やり取りしています。

信用情報にクレジットカードの利用日、借入額、利用額などが記録され、返済状況までわかるようになっているため、その人のカード利用状況が一目瞭然となる個人情報の1つです。カード利用者の利用状況にスムーズな支払がされない、何かしらの問題が発生すれば、この信用情報に事故内容が記録されることとなります。

カードの申し込みがあると、この信用情報機関に申込者の過去の記録を照会し、カードを発行しても問題がないかどうかを確認することが、審査内容の1つとなっています。

金融事故の種類

支払遅延
一言で金融事故と言っても、いくつか種類があります。クレジットカードは利用すれば、必ず支払いの日がやってきますが、この支払いがスムーズにいかないことを、「支払遅延」や「支払延滞」と呼びます。支払が遅延したとして、信用情報に記録される「遅延日の基準」は、金融業者や信用情報管理機関により異なりますが、当然遅延日が長くなるほど、確実に金融事故として記録されることとなります。
債務整理
借入額が膨らみ、返済が不能となった時に法律の力により、合法的に借金を整理していくことを債務整理と言います。債務整理にもいくつか種類があり、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産が債務整理と呼ばれ、弁護士や司法書士など法律のプロの手により法的な手続きをとるものです。このような法的手続きにより、借金の整理などを行った際も、信用情報に金融事故として記録が残ることとなります。
代位弁済
金融業者は、利用者の支払いが滞り、返済額が回収されないという事態を避けるために、保証会社と契約しています。カード利用者の支払いが万が一滞り、代わりにこれらの保証会社が支払することを、代位弁済と呼び、代位弁済されると、同じく信用情報に記録されることになります。
強制解約
申し込み内容に虚偽があったり、支払いの遅延が繰り返されたりと、カードを継続して利用することに問題があるとクレジットカード会社が判断した際、強制的にカードの利用を解約されることを強制解約と言います。強制解約された際にも、信用情報に記録されます。

信用情報の記録期間

信用情報に1度記録された情報が、どれだけの期間記載されるのかとても気になるところですが、その期間はどれほどなのでしょうか。信用情報に記録が残る期間は、事故内容や登録される信用情報機関により、違いがあります。

ですが、概ね5年~10年とされるものばかりで、最低でも5年もの間この記録が金融業者の間で共有されるということになるのです。借金の法的な手続きでもある、債務整理や代位弁済後の支払いが滞ってしまえば、信用情報から指定された期日が過ぎても、記録が消去されないこともあります。

金融事故の情報は、信用情報機関に最低5年も登録され、金融業者同士でこの情報を共有することとなります。クレジットカードを利用する際は、1度金融事故を起こすとその情報が長期にわたり、金融業者間でやり取りされるということを念頭に置きながら、計画的な利用を心がけることが大事です。